オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【雑談】web小説を見切るときに考えてること

 今回は雑談です。テーマはweb小説を見切るときの判断基準ですね。

 前置きが長すぎるし脱線したので下のほうに置いておきます。割とコンテンツ全般の話になってていつまでも本題に行かなかったんですけど、消すのはなんか忍びないので……。

 ・あなたは小説を見切るときに何を考えていますか?

 まあアニメとか漫画とかなんでもそうなんですが、何らかの理由で見るのをやめるということは結構ありふれてると思うんですよ。そこには様々な理由があると思いますがことweb小説に限っていえば面白くないという理由で見限ることが多いと思います。

 だれでも気軽に投稿できるという反面、クオリティが担保されてるわけではないというのがweb小説なので。玉石混合の中から光り輝く作品を見つけなければなりません。昔はランキングがその手助けをしてくれたわけですが、今ではいろんな事情であまり機能しなくなっています。ある程度自分で探さなくてはならなくなったわけです。このサイトはその辺を考えてやりだしたんですがまあそれはいいとして。

 小説は文字で出来ている関係上、面白さの判別に時間がかかります。昔は私も結構時間をかけて読んだ後に、これちょっと……と思いながら結局惰性で読んでしまったみたいなのが結構ありました。

 それで今はというと、少なくとも1話2000文字として2~3話程度読んだ段階で自分にとって面白いのかどうかわかるようになってきました。昔はあらすじとタイトルで結構切れてた印象ですがこれもなんか脱線するので止めます。

 それでまあ題材が刺さらなかったとかそういう私個人に由来する切る理由を抜いたとして、なんかよくないで切ることも多くなってきたんですが、その”なんか”とはなんなんだろと思って考えてみたというのがこの雑談ですね。これも前置きが長い。

 それでまあ結論から言いますと、大体言葉の使い方がおかしいのと人称が急に変わるせいで頭に入りづらいというのが”なんか”の正体でした。

 

 例えば今まで三人称だったのに急に一人称になってその次の行で三人称に戻るとか、三人称の神目線なのに敬語表現でキャラを表したり。前者はパッと説明しずらいですが後者は「その姿はまさしくお嬢様のようだった」みたいな敬語表現(三人称なのになぜかキャラに敬語をしてる)にありがち。

 詳しく書けばもっといろいろでてくるんですが、その場合量がすごいのと間違いの例をパッと浮かばせれないので諦めました。引用してくるのも考えましたがめちゃ失礼なので断念。というかこれって創作指南みたいな領域に片足を突っ込みかけてるので止め時ましょう。私はただの一読者なので。大きな声で言いますがここに書かれてるのはただの私の好みの話ですよ。

 まあ他にもキャラクターの設定、状況と矛盾した描写とかも切る原因になりますが、これは割とわかりやすいのであれですね。

 このあたりが改めて私がなんで面白くないのかとを感じたところを精査してみて気づいたことだったんですが、よく見ないと間違いと説明できないところがちょっと読んだ時に違和感としてわかるのって人間結構すごいなと思いました。

 あと日本語の文法表現ってめっちゃ難しいですね……。青空文庫で名作とされてるような小説を読むと立て板に水というか描写がするする入ってきて、描写の順番とかも工夫されてるんだなぁという気持ちに。

 なんか結局本題の部分でデータが薄いしょっぱい話になりましたが、雑談だしいいのです。web小説と青空文庫の作品をちゃんとデータとって三人称や形容詞などの文の関係性を創刊グラフにするのも面白そうとは思いますが、別に論文でもないので……。

 結局何が言いたいか微妙な話しになりますがこのくらいにしておきます。

 

 

 

 

物語の好き嫌いって人によって分かれるから考察しにくいよねーみたいな話が置いてあります。↓

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【雑談】最近やってるものとやろうかなリスト

 ここ最近暑い日が続きますが皆さんどうお過ごしでしょうか。更新が結構空きましたが、読んではいるんですけど紹介する気力がなくて日々自堕落に過ごしております。とりあえず最近読んだものと読もう/見ようと思ってるリストでも置いておきます。

 

 読んだやつ

僕は今すぐ前世の記憶を捨てたい

https://ncode.syosetu.com/n9954hb/

この世界のヤベー奴らは大体みんな俺の弟子

https://ncode.syosetu.com/n2245gi/

奥多摩個人迷宮(プライベートダンジョン)~浸食してきた異世界迷宮

https://ncode.syosetu.com/n6787cs/

週末冒険者

https://ncode.syosetu.com/n9544br/

クズすぎて追放された勇者の先生、借金返済の為に仕方なく違法ギルドを開設する 〜気がついたら裏社会のボスでした〜

 https://ncode.syosetu.com/n7901gs/

彼ぴっぴしゅきしゅきビーム殺人事件

https://ncode.syosetu.com/n9273gz/

同舟のラメンデ

https://ncode.syosetu.com/n7061gm/

 

 まだまだあるんですけど張っててめんどいなって思ったのでこの辺で……。多分簡易説明の記事あげます今度。

 それとこっちはやろうかなリスト

・アマプラに来たエヴァを見る

・ハサウェイ見る

・俺たちの魔王はこれからだ。【旧メイデーア】

https://ncode.syosetu.com/n3862be/

 の読み直し

・不死の子供たち

https://ncode.syosetu.com/n3808fy/

 

 あたりですかね。エヴァは見たら記事を上げますが、今のところQまでしか見てないので頭に?マークが浮かんでいます。かなり好評だったようで期待してます。ハサウェイは映画館行く気力があれば……。

【小説紹介】『勇者の剣の〈贋作〉をつかまされた男の話』

はじまりは、嘘だった。青年は馬鹿正直な馬鹿であり、嘘を信じて戦った。その嘘が誰かを傷つけることもあった。けれど、彼は戦い続けた。そのくだらない嘘が、真実に変わるように。

 

おすすめ度☆4

 

 今回紹介する小説は短編ですね。勇者がどのように生まれるかという問いにシンプルな解を物語で返しています。話の内容も欲しいものがあってシンプルにまとまっていて、短編なのでサクッと読めるのも魅力的です。

 短編なので中身を説明しだすとアレなため、このくらいにしておきます。なんかちょっと読みたい人におすすめです。

【小説紹介と雑談】『【完全版】俺は何度でもお前を追放する~ハズレスキルがこのあと覚醒して、最強になるんだよね? 一方で俺は没落してひどい最期を迎えるんだよね? 知ってるよ、でもパーティーを出て行ってくれないか~』とタイトルの話

※書籍化すっ飛ばしてコミカライズする事になりました! 詳細は後日!

 父親を魔王に殺された青年エリウスは、成人の日に

「取引すれば、新たなスキルによって魔王の討伐を早くできる」

 と語る男と出会う。
 男の言葉を疑いながらも、エリウスが取引によって手にしたのは「導(しるべ)」という、魔王討伐までの五年間を繰り返しながら、必要な因果を発見することのできるスキルだった。
 導の力で何度も五年間を繰り返しながら、聖女や槍の名手といった、強力なスキルの持ち主達を発見し、魔王討伐への手応えを感じるエリウスだったが⋯⋯。

  あらすじより

 

 おすすめ度 ☆4

 

 今回の小説はなろうで流行ってる追放系のエッセンスが入ったタイムリープものですね。もう完結もしていてラノベ一冊分ほどの内容できれいにまとまってます。タイトルがちょっと長いですが、内容は非常にきれいにまとまっており、このストーリー展開なら欲しいという展開がしっかりと入っていて、非常に無駄なく話が進んでいきます。盛り上がるところは盛り上がりとても面白く読めました。そんなに長くないやつがいいけど何か読みたい!という人には特におすすめ。

 

 

https://ncode.syosetu.com/n4623gx/

 

 

 ここからは雑談ですが、ラノベのタイトル長いよねという話。私みたいな人間だと長すぎるタイトルを見るとちょっとうーんと思ってしまいますが、これはタイトルを含めた小説自体の完成度を見たときにもっと適切な言葉があるだろうと考えるからですね。他にもこのタイトルによって釣られる読者層に私が入ってないことが多いっていうのも理由なんですが、最近は長いタイトルでも普通に私が面白いと思える小説が増えてきているのであまりあてにならない感じはします。

 

ラノベのタイトルが長くなったのはいつ頃か? タイトル文字数の長さを年別分布にした図表が興味深い - ねとらぼ

 

 このリンクにもあるように少なくとも商業のライトノベルはタイトルの長さが増えているようです。私のような人間は実際のところ少数派で、しかしながら発信する人間もこの少数派に属しているところが多く、ここに好かれる小説→つまり簡潔なタイトルが昔は好まれてたのでしょう。たぶん。小説の完成度という項目でいえばそちらのほうが自然ですし、ライトノベルという枠にオタク目線の厳しい視線が注がれていた時代はそちらがベターだったのかなと思ってます。

 しかしながら今は漫画と同列とは言わないまでもかなり気軽に消費されるようになったライトノベル。この辺は単純にIPが金になるみたいな感じで消費スピードが速くなったことが原因だと思いますがここは置いときます。なのでリーチしようとしてる層が変わればそこのベストも変わってくるわけで。SNSの発達なんかも増えてだれでもある程度作品について発信するようになり、同じ声の大きさなら多数派の好みをとるよねってことでタイトルが長くなったのかなぁなんて考えてました。めっちゃ端折ったんですけど伝われ。

 まあ少なくともタイトルで内容を分かりやすく説明しろっていう指示は出ているでしょうし、そのほうが数字が出るのでしょう。webのほうもランキングに乗るために同じ考えを採用してる人が多いはずです。ちょっと悲しい。

 しかしまあその流れの中逆らって本来読みたかった小説を見逃すのは本末転倒なので頑張って見極めていきたいものです。

紹介する小説の評価基準

 あまりに今更なんですがいちいち記事につけるよりここに置いといたほうがスマートだなと気づいたので評価基準はこっちに置いておきたいと思います。あと全部私の主観なのでなにとぞご容赦ください。

 

おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

☆2つ 何とか読めるものの厳しい

☆1つ ……

 

の目安で付けています

 

 

二次創作おすすめ度 指標

☆5つ 純粋に完成度が高く、原作を知っているのならば間違いなくおすすめできる小説

☆4つ 原作をある程度知っていれば楽しめる完成度の高い小説

☆3つ 原作の知識が前提になっているものの楽しめる小説

☆2つ 何とか読めるものの厳しい

☆1つ ……

 

の目安で付けています

【小説紹介と雑談】『異世界居酒屋「のぶ」』とグルメ系物語の話し

古都の路地裏に一風変わった店がある。
居酒屋「のぶ」
これは、一軒の居酒屋を巡る、小さな物語である。

 

おすすめ度☆☆☆☆(☆)

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています) 

 

 今回紹介する小説『異世界居酒屋「のぶ」』は食事を中心に物語が展開するグルメ系のやつです。書籍化、アニメ化もしていて、これ系統の小説ではかなり有名だと思います。

 内容としては短い話数で一つの料理を題材に区切りがついており、それが連なって物語の形を成してる感じです。時系列も途切れるようなこともなく、綺麗につながってるので短編連作とはまた違う感じですね。区切りが小さくついていくので読みやすく、それでいてきちんと全体としてまとまっているので、読みごたえもあってとてもいいですね。

 一時期漫画やweb小説にもグルメ系の物語が流行ってたくさん出てましたが、この小説はそのブームの最初の方に出てきた、このジャンルをけん引したような小説な印象です。多分最初の火付け役は『孤独のグルメ』だと思うんですけど、火付け役というよりは流行る下地を作ったという印象で、2010年くらいからなんかしらのグルメ系再評価の流れがあったんだと思います。人がご飯食ってるの見るのってそれだけで結構面白いじゃん的な。

 この小説も2012年初稿(投稿年を見るに2014年付近まで更新はあまりなかったようですが)ですし、『孤独のグルメ』のドラマが始まったのも同じ2012年です。私は正直その辺ネット環境がなかったので実感としてはないんですけど、実際のところはどうなんでしょうね。この辺は全部想像です。

 話を戻しますとグルメ系の話しって食事という動作自体は短い行動に紙幅を取られるので、ストーリー自体はあまり進められないんですよ。なので自然と行動の範囲が主人公の周りにならざるを得なくて、少し変化に欠けます。これ系統の物語って何か驚きを探しに行くというよりはある程度想定した範囲内での物語を見に行くような気持ちで見ると思うんです。

 しかしながら何かしら変化がないと飽きられます。グルメ系のブームがひと段落したのもこの辺の変化がジャンル全体としてもうぱっとは出てこないようになったせいなのかなと思いますがそれはともかく。漫画だと視覚で料理が変わるので違いがあっていいんですが小説だとなかなかそうはいかないですよね。

 そこでこの小説だと異世界という別の世界を持ってきてそこにいる人たちに料理を食べさせるという解決策を取ってます。短い区切りで現地の人の視点へ切り替えているので主人公の動きの少なさも解決してます。こう見るとすごく理にかなった物語の作り方なんだなぁと感心させられます。

 その上で大筋を外さずに綺麗に物語を繋げていること、料理の描写も非常に上手く、完成度高くまとまっていてとても面白いです。まさにこういうのでいいんだよって読者から言われるような物語という感じですね。大体こういうのでいいんだよっていうのは綻びを許さない物なので、この評価がある時点でそつなく完成度が高いということです。そしてこういうそつのなさは高い筆力や知識に裏打ちされないと出ない物なので、作者さんはすごいということですね。

 長く語ったんですけど一言で言えば面白いよってだけですね。こういうのが好きな人はぜひ読んでみてください。

 

https://ncode.syosetu.com/n9773bj/

 

 

 

 

 

【ネット小説 おすすめ】Webで読めるおすすめ小説 その2 

 自分がweb小説でなんか面白いのない? って聞かれた時に真っ先に挙げる奴をまとめとく記事です。知らないの読みたいみたいな玄人さんは回れ右してください。前回のはこれ

 今回はVRMMOとかゲーム世界への転移物で固めてます。多分求めてるものは一緒だと思うので……。あとで普通におすすめ小説まとめで適当にノンジャンルで並べる形式になってるかもしれないです。適当。

 

 シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜

 

URL→ https://ncode.syosetu.com/n6169dz/

紹介記事→ 【ネット小説 紹介】シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 - オタク文化の切れの端

 

 ファンの熱量がすごい作品。やってることはゲームに舗装された王道の冒険ファンタジーなんですがその熱量と設定のディティールがすごい。僕の考えた最強VRMMOをきちんと形にしています。ゲームとかが好きで文体に違和感を覚えなかったらほとんどの人がハマりそうだなと思っています。あとマガジンで漫画連載してるらしいので、そっちで知ってる人も多いかも。出版で揉めたのか書籍化はしていないので小説は本屋で探してもありません。

 

 

 

 

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-

URL→ https://ncode.syosetu.com/n5455cx/

紹介記事→ 【小説紹介と雑談】<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-とVRゲーム物について - オタク文化の切れの端

 

 こっちはついこないだアニメ化もした作品。VRMMOを軸にエンブリオっていう個々人のパーソナリティを反映した特殊能力をキャラが持ってるのがキモ。VRMMOのフィールドで特殊能力バトルを丁寧にやってます。そりゃあ面白いですよ。自分専用の特殊能力を誰でも想像したことがあるでしょう。そんな人には特におすすめ。

 

 

 

 オーバーロード

URL→ https://ncode.syosetu.com/n4402bd/

紹介記事→ 有名すぎて書いてなかったので今度書くかも。

 

 まあ今更紹介するまでもないんですが、骸骨アバターでゲームの世界に飛ばされた主人公が勘違いされつつもやりたい放題するやつですね。アニメも何期かやりましたし、大人気です。webの方は更新が止まっているんですが、アニメの準拠になった書籍版とはキャラが変わってたり、物語の展開もちょっと変わってたりするので注意。webで読んで書籍買うのがいいのかもしれない。漫画も丁寧に描かれてるので小説よりそっちを先に読むのも〇。

 

 

 

 とりあえずこれくらいに。また書きます。

 

【小説紹介と雑談】『Garden of Clockwork』とSCPの話し

VRMMO。深淵に臨む。

 

 

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています) 

 

 

 先に言っておきますと今回紹介する『Garden of Clockwork』はもう3年以上更新がないので、正直続きが書かれる可能性は低いことを述べておきます。それでも紹介する理由は面白いからです。というか個人的には未完結であろうが、それまでの面白さで評価してるので普通に紹介します。まあ完結した方がいいのはそうですけどね。

 この小説は概要にもあるVRMMO物にSCPの要素を混ぜた小説ですね。このジャンルのやつだとよく見られるスキルレベルのアレに戦闘→リソース回収・自身強化→戦闘の気持ちいいループ。序盤はそうやって進んでいくんですけどそのうちに説明の足りてなかった世界観が徐々に浮き上がってくる構成です。

 知らない人に為に説明しますと、SCPっていうのは報告書の体で異常な物、事、場所について創作しようというコミュニティサイトですね。正確に言うとちょっと違うんですがまあそれは置いといて。

 このSCPという創作物は元々海外の掲示板で発生したものなんですが、それがウケてじわじわ広がっていき、今では世界中で盛んに創作が行われてます。

 特徴としては報告書という体裁で、ここに創作されるものはSCPのフォーマットに則った実用的かつ客観的な文章で書くようにされていることですね。情緒的な主観などはなるべく排除されています。

 方向としては割とホラーな風味が多いですが、いろんなジャンルの報告書が作られていて、特に評価が高いものは良質のショートストーリーを読んだかのような読後感があって一コンテンツとしても非常に深い広がりがあってとても楽しめます。

 で一言で言えば『約束事に則って自由に創作しよう』というサイトのコンテンツな訳ですが、ここのコンテンツは基本的に二次創作OKなんですけど営利利用はダメというスタンスです。なのでSCPの二次創作ってこの内輪で止まりやすくて外にはあまり出てこないですね。前提を説明するのが面倒なのでそりゃあ好きな人で集まってるとこで消費しますよね。地産地消というか。まあそうじゃないと明らかにめんどくさいことになるのが目に見えてるので仕方ないです。

 しかしまあSCPの世界観って先人が10年以上練り上げてきたものなので、普通に魅力的なわけですよ。しかしながらSCPのサイトでストーリー的なものを描くのは結構厳しいし、営利目的も無理となると他のとこでもまあ出てこない。(ちなみに厳しい理由はいろいろあるんですけど説明するのが面倒なので省きます)

 そんな中でこの『Garden of Clockwork』はVRMMO物の路線にいれつつ、SCPの流れを上手に世界観に組み込んでいるのですごい。

 SCP自体が誰にでも創作できるけど、ちゃんと枠組みの中に入ってるかサイトにいる人たちで精査してね! っていう方式で各記事の面白さを担保してるんですけど、そのせいで自由なように見えて結構縛りが強いんですよね。味が強いというかSCPの要素を入れると下手なものは全部塗りつぶされちゃう。

 その辺りをうまく制御して自分の物語に落とし込んでいるのがこの小説のすごいところで、その当時はやっていたVRMMO物に組み込めちゃう作者さんはパワーが高いです。更新はもう望めないかもしれませんが、こういうのが好きな人には是非お勧めしたい小説です。

 

https://ncode.syosetu.com/n3889du/

【小説紹介と雑談】『リィンカーネーションダービー ‐新人トレーナーがんばる‐』と二次創作の面白さの種類

 その男には前世の記憶があった。
 その男が生まれ変わった世界にはウマ娘という存在がいた。
 だが、その男は競馬も競走馬もほとんど知らなかった。
 その男が新人トレーナーになった時、一人のウマ娘に出会う。
 そのウマ娘の名前はハルウララ
 競走馬をろくに知らないその男でも、聞いたことがある名前だった。
 だからこそ、その男はハルウララをスカウトした。
 そしてその男はハルウララを育成し始めて思った。
「え? 競馬を知らない俺でも名前を知ってるぐらい有名なんだし、ハルウララってすごいウマ娘じゃないの?」

 この物語はウマ娘を知らず、競馬もほとんど知らない凡庸な男がウマ娘の世界に転生して新人トレーナーとして頑張る話である。

※注意※
基本的にアプリやアニメ、漫画の設定を遵守するつもりですが、現状判明していない設定などは独自設定として描写しますのでご注意ください。
※注意※
作者は競馬の知識があまりありません。極力調べて作中で描写する予定ですが、間違っていたら「このニワカめ!」と罵ってからこっそり教えてもらえるとすごく助かります。
※注意※
アプリの面白さとアニメの感動とこのハーメルンに投稿されている数々のウマ娘SSに触発されて書き始めました。広く温かくゆるい心で読んでいただけると嬉しいです。

 

 小説紹介から引用

 

二次創作用おすすめ度☆☆☆☆☆

(二次創作おすすめ度 指標

☆5つ 純粋に完成度が高く、原作を知っているのならば間違いなくおすすめできる小説

☆4つ 原作をある程度知っていれば楽しめる完成度の高い小説

☆3つ 原作の知識が前提になっているものの楽しめる小説

の目安で付けています) 

 

 今回も前回と同じくウマ娘の二次創作ですね。ハルウララ(のちに他のウマ娘も)に焦点を当ててアプリ版のストーリーをベースに丁寧に描いています。アプリなどでは簡略されてしまいがちの一戦一戦に紡がれる思いが熱く描かれており、そこに至るまでのトレーナーとウマ娘の信頼関係や、ウマ娘同士の友情やライバル関係など、アプリ版では語られないもののユーザーが欲しかった物が描かれています。とても面白く読んでいます。

syosetu.org

 この辺りの需要があってそういう二次創作が結構出てるよねって話は前の記事でもやりましたね。要するにウマ娘のアニメでやってたようなキャラの深堀を他のキャラでもやってほしいという。実は私アニメまだ見てないんですが、特に二期の評判がいいらしいので今度見ようとは思っております。

 でまあ単純にウマ娘のストーリーってスポコン物として完成度がめちゃくちゃ高いんですよね。それを元々あるドラマチックな競馬史実から引用してIFを語れたり、夢の対決が出来たりするんですよ。そりゃ強い。

 スポコン物は根強く人気があったわけですが、ここにきてまた再確認されたなーみたいな気持ちがあります。この辺の話はやると長くなるので今度別記事でやるかもしれません。

 

 それとは別の話しなんですが、二次創作でおすすめの評価基準変えてみました。今はこの記事だけですが、あとで別記事も直しときます。たぶん。

 まあ二次創作ってどうしても原作が土台にあるわけなので、誰にでも勧められるってわけじゃないですよね。原作の前提を省略してたり、説明が省かれてたりすることが結構あるので、そこも難しい。

 そういう小説がつまらないというわけでもなく、むしろ原作をしっかり知っていればとても楽しく読めるものもあるわけで、他のオリジナル小説よりも万人に受けるという指標が機能しないなーと思った次第です。そもそも読者の読解力とか知識によっても最適な本って変わると思ってるので普段のも個人的指標以外の何物でもないんですけども……。

 なので単純に完成度高いなーって思った小説を多めに☆つけするようにしました。まあ一個人の感想なのであんまり鵜呑みにはしないでほしい……。この辺りの二次創作の話しもまた別記事でやるかもしれません。

 とりあえず今回はここまで。ではまた。

【小説紹介と雑談】『ウマ娘 ワールドダービー 凱旋門レギュ『4:25:00』 ミホノブルボンチャート』とウマ娘の話し【二次創作】

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています) 

 

 今回紹介する小説はウマ娘の二次創作ですね。ハーメルンで前からあるRTA物とウマ娘を組み合わせた話になります。RTA物の説明をちゃんとするとニコニ二動画に~~とかこういうスタイルの動画にそこの流行りが組み合わさって~~とかめちゃくちゃ長くなるので説明は端折ります。簡単に言えば既定の路線をなるべく早くやろうとするけど、ポカとかのせいで茶番っぽくなるタイプのコメディです。ネット文化とかが複雑に絡んでるので説明がとてもめんどくさい。

 まあこうやって書いたわけですが、この小説ではあんまりRTAパートは出てきませんね。特に後半になるほど小説パートばかりになっていくので、あんまりRTA物って感じは鳴りを潜めていきます。真面目なウマ娘の二次創作小説というか。

 アプリの方でもあるミホノブルボンライスシャワーのライバル関係にオリジナルの主人公でもあるトレーナーとの関係性も入れて、真面目にレースに向けて特訓していきます。

 おおむねアプリ版通りでそこの関係性をきちんと補足して、綺麗にやっています。後はそもそもの原作であるウマ娘のストーリー自体がパワーありまくってるので、そりゃあ面白いよねという。

 とりあえずウマ娘知ってる人ならかなり楽しめると思います。最初のノリ寒いなーってなった人は4話辺りから小説パートが始まるのでそこまで飛ばしながら読んでみるといいかもしれません。

 

syosetu.org

 

 

 ここからは雑談なんですが、ウマ娘の二次創作めちゃめちゃ増えてますよね。それも普通に原作アプリのトレーナーを主人公にした、あんまりアプリストーリーと変わらない感じのやつ。

 これが(ランキング入りしてて評価高いやつは)大体面白いのでそもそものウマ娘のアプリが作ったストーリーって面白いな、というか気合入りまくってるなーというのが一つ。

 そこからまあウマ娘自体も超気合の入った二次創作で、元々の競馬で作られたデカいストーリーを引っ張ってきてるしと当然かもと思ったのが一つですね。

 そもそも物語とかでなんで神話とかをバックボーンにしがちなのかって説明が端折れるのもそうですが、そもそも世界観にリアリティ出すのに読者の既知要素を利用するとやりやすいからですね。

 何の情報もないなかこうだから魔法使えるよ! より魔女だからとかこういう神話の神の血を引いてるからっていう方が納得しやすい。

 でウマ娘の話しに戻しますと、元々競馬のフィールドで何年も積み上げてきた事実があってそれを元に競馬界隈の人が物語を紡いできたわけですよね。

 馬自体は別に喋ったりしないので競馬の界隈の人が馬の仕草からこの馬とこの馬はライバル関係で~~とか○○みたいな二つ名とかを作っていったわけです。こういう話しの裏で活躍できなかった馬は処分されるみたいな現実を見えないようにしてるわけですね。その是非はここでは関係ないので放置します。

 まあそうやって作られた信頼と実績の原典を引用して、もっと人(オタク)好みにして作られたのが競馬の二次創作であるウマ娘なわけです。馬を全部女の子にするとか最たるものではないでしょうか。あとはウイニングライブとか。FGOとかもそうですが、大体女の子の方がウケがいいですからね。売れるのが正義とは言いませんが、売れないと次もないし、いろんなとこにヒットしやすい。

 しかしそうやって原典で確保した世界観のリアリティをウケるように変えていくと大体権利者問題に引っ掛かります。先に挙げたFGOの場合は権利者が死んでるので文句言われないんですけど、ウマ娘の場合は馬が文句言わないのはそうですが、権利者である馬主の許可も取ってきたのがすごいですよね。Cyagamesの人はめっちゃ気を使っただろうし、今も売れてホッとすると同時に界隈のごたごたにめっちゃ目を光らせてると思います。

 でまあ元々面白い原典の利用と改変の許可もらって、その上でめちゃくちゃ金かけて丁寧に作ったら大ヒットというある意味順当な感じですよね。とてもすごい。

 しかしながらノベルゲームじゃないのでどうしても主人公とウマ娘たちの絡み自体は少し物足りなくならざるを得ません。一緒に育ててきたウマ娘とのやってきていただろう絡みが不可視化されていてそれを見たい! という欲求が今のウマ娘二次創作が原作ストーリーを強化したものが多い理由な気がします。そりゃあ面白いわけですよ。そもそもの年季が違いますからね。

 長々書きましたが個人的には面白い二次創作が増える分には歓迎なのでどんどん増えてほしいですね。これ以外にも何作か読んでいるのがあるので、そっちも今度紹介したいと思います。

【雑談】読んだ本を全部紹介するか否か

 今回は特に何かを紹介するわけではないんですが、ちょっと気になってたことがあったのでアンケートでもと。

 今のところ私が気が向いた時に何とも言えない雑談と共におすすめできる小説を紹介してるんですけど、実際に読んでいる数で言えばもっとあるわけです。少なくとも毎日文庫本一冊程度は確実に読んでいるので。

 一応現在の更新分まで読んだ上で面白かった物を紹介しているために微妙な更新頻度になってるんですけど、実際のところどうなのかなぁと。読んだものを全部紹介した方がいいのか、それとも今の感じのがいいのか。

 全部記事にしてあげるってなるとめっちゃおすすめなやつ以外おすすめ度と一言コメントくらいになると思うんですが、今の状態とどっちがいいのかと言われるとわかりません。ちなみにその場合、どうでもいい雑談は別記事になるでしょう。

 一応アンケート置いておくのでできれば気軽な感じで投票してもらえると嬉しいです。

 

 

docs.google.com

 

 正直イエスかノーだけでやる投票機能があればそれでよかったんですけど、はてなブログにはそれがなかったのと、何か導入するっていうのにめんどくさくなったのでgoogle様の力をお借りました。無。

 なにとぞなにとぞ~

【小説紹介と雑談】『その勇者、虚ろにつき』と推しのいる人いない人

剣と魔法の世界、魔王との戦争に明け暮れる同盟四国の一国、ノル国は国秘とされる召喚魔術により、現代世界より呼び寄せた勇者で魔王を倒そうとする。

しかし、現れた勇者は心持たぬ虚ろの怪物。魂に空洞を宿す連続殺人鬼だった。

その勇者に願うな。
例え、諦められぬ願いがあろうとも。

その勇者にすがるな。
例え、絶望の淵にあろうとも。

その勇者に挑むな。
されど、人は生き抜くために闘いを選ぶ。

これは世界を救おうとする勇者の物語。
これは世界を護ろうとする英雄達の物語。

 

 

おすすめ度☆☆☆(☆)

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています) 

 

今回の小説は異世界ファンタジーです。魔法のあるファンタジー世界に狂人である主人公が転移してきて、異世界民を虐殺するので現地の強者がそれを止めるべく白熱の魔法バトルを繰り広げます。もっといい説明があるかもしれませんが実際こんな感じ。

 主人公は悪役のような行動や言動を行い続けるので、どちらかといえば敵役の方に目が行く珍しい作品でもあります。主人公のキャラクター性的に共感する相手が敵役になるのでそっちに目が行くというか。

 割と残酷なシーンも多く、異世界転生系の流れを予想しているとそれを大きく外されることになります。その辺を楽しめるかが好き嫌いの分かれるポイントかもしれません。

 内容としては戦闘シーンに重きが置かれていて、そこに至る過程をシリアスに描いているので、こういう土台の整った戦闘描写が好きな人には特におすすめできるものとなってます。ハードボイルド戦闘風味というか。いやまあ厳密に言えば違うと思うんですが伝わってほしい。

 普通の転生物は結構お腹いっぱいって人にもおすすめです。

 

 

https://ncode.syosetu.com/n7248z/

 

 

 ここからは雑談なんですが、割と最近になって推しって言葉がよく聞かれるようになったじゃないですか。急に市民権獲得しましたよね、推しって言葉。

 昔からたくさん小説やら漫画やらを読んできたんですが、キャラクターを推すってことをしたことがないんですよ。現実の人間でもそうですね。

 しかしながらこれだけ推しという言葉が叫ばれて普遍的に使われるようになったということは何かしら皆このような気持ちがあったということだと思うんです。名づけられてなかった概念に名前が付けられたので流行ったというか。

 ということで推しがいないという私は少数派に属するわけですが、それについて少し考えてみると物語の捉え方の違いかなぁと。

 小説であれ漫画であれ、物語そのものには優劣は存在しないわけですが、それを心が動かされる、情景を想起させるetc→面白いという風に定義すると、どうしてもそこには優劣があります。ここにはそれを受け取った人間のバックグラウンドなども加味されるので人それぞれ違うんですが、それでもある程度共通のものがあってそこが上手だと名作と評価されるわけです。

 私は普通の人間より物語を摂取した関係上、この尺度で物語を読みます。キャラクターの存在もいかに”面白い”に近いのかという関係で評価しますし、そこでどれだけ魅力を感じても物語の一要素というところからは抜け出しません。なので推すということに繋がらないわけですね。現実の人間(芸能人とか)も別に会おうと思わなければニュースとかで流れてくるだけなので、物語のキャラクターと同一の見方をしています。面白いなとは思いつつ、何かしようとは思わないわけです。

 私のようなことなく普通に読んでいるとキャラクターを物語の一要素ではなく人間として見るようになるので、そこにある思い入れが一定値を超えた時、物語から帰ってきてもキャラクターという枠を飛び出して特別な存在=推しになるというのが私の考えなんですけど、一概にこれだと言い切るには幅広いので何とも言えません。

 でもまあ少なくとも何か入れ込む対象がいたほうが生きる気力にもなっていいですよね。精神衛生的にもそうですし。まあそんなこと言って引いた目線だからできないんだぞと言われればそうとしか言えないんですけど、その辺は中々変えづらい訳で。上手く切り替えられるとより人生が楽しいかもなーなんてことを考えておりました。

 

 

 

 

【小説紹介と雑談】『IF GOD 【佐為があのままネット碁を続けていたら…】』とヒカルの碁の話し

原作で佐為がネット碁を続けていたら……という二次小説になります。
早期に佐為と塔矢行洋の対決が実現。ヒカル、佐為、行洋の3人で<sai>の正体を隠す。

(注意書き)
※このSSは以前arcadia様に投稿していたものと同じものになります。(現在は、arcadia様の方に投稿していた分は全て削除済となっております)

 

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 

 今回の小説は漫画『ヒカルの碁』の二次創作小説ですね。『ヒカルの碁』自体はアニメ化もした名作で私もめちゃくちゃ好きなんですが、少し古めの作品なので軽くあらすじだけ。

 主人公ヒカルが家にあった古い碁盤に触れると過去に碁の天才棋士と呼ばれた藤原佐為に憑りつかれる。囲碁のことを全く知らなかったヒカルだったものの、佐為の目的である碁で神の一手に辿り着きたいという熱意を間近で見るうちに、ヒカルも碁の世界にのめり込んでいく。

 みたいな感じですね。囲碁という余り馴染みのない題材でありながら、それをよく知らない人間にも物語が分かり、なおかつめちゃくちゃ面白いという奇跡の漫画です。

 言っちゃあなんですが囲碁って漫画に映えないじゃないですか。盤面を一目で見れるのは小説にない利点ですが、基本的には囲碁の知らない人間が漫画を読むわけです。私もヒカルの碁はめちゃくちゃ好きですが、囲碁のルールはほんの少ししか知りません。そんな人間が大半なのではないでしょうか。その上でそういう人でもわかる面白さがないといけません。なので囲碁がメインでありつつも、基本的に読者にとってはそれによっておこる人間ドラマがメインになります。

 それでもですよ。どうしても囲碁が思考の遊戯である以上、派手な立ち振る舞いは行われないわけです。相手の一手に対しての思考や気づき、その上での感情の揺らぎなんかが面白いポイントなわけですが、それって一枚絵の連続である漫画では表現しにくい領域ですよね。表情とコマ的限界のある文字数で、複雑な思考や感情を伝えるよりも最初から小説のような文字ベースで行った方が合ってるという。

 しかしながらヒカルの碁のすごいところはその辺りをすっ飛ばして、私たち囲碁知らない民にもわかりやすくかつ面白いところです。

 ストーリーがいいとかキャラ立ちがすごいとかたくさんすごいところはあるんですが、私が一番すごいと思ってるのはどう見ても小説での方が向いてるであろう微細な心の情動を漫画でやってしまっていることです。『ヒカルの碁』の作画はデスノートバクマンなどの作画も手掛けている小畑 健という方がやっているのですが、本当に画力がえぐい。コマ割りとかもそうなんですけど、表情で雄弁に語らせるその技術に驚くばかりでしたね。

 

 ……とまあ本家である『ヒカルの碁』の話しを長々とやってしまったんですけど、この題材自体はやはり文字媒体の方があっていると思うんですよ。成り立っているのはえぐい画力と秀逸なストーリー&キャラクターのおかげというか。その点、この二次創作は原作の空気感を全く損なわず、ありえたであろうIFの話しを描いてくれているので、とても楽しく読むことが出来ました。また原作を読み直してみようかなと思わせてくれる二次創作の一つの形、その深みを感じれました。

 『ヒカルの碁』が好きな方にはまず間違いなくおすすめできる小説です。読んでない人は読んでください。面白いし面白いので。

 

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【小説紹介と雑談】『東方遺骸王』と二次創作の話し

気がつけば、枯れ果てた身体。閉ざされた石室。
人も、神も、妖も、姿を見せぬ過去の世界。
偉大なる魔法使いは覚醒し、寝床を探す物語が始まった。

 

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 今回は東方プロジェクトの二次創作小説です。かなり昔に読んだことがあったのですが、最近また見つけだして最近読み直した経緯があります。

 内容としてはミイラのような見た目の不思議な力を持つ存在に主人公が転生し、太古の地球から気ままに過ごした結果、結果的に東方の世界観が構築されるという普通思いついてもやらないようなスケールの大きさの話しとなっています。

 要するに東方世界には神とか神霊とか呼ばれるほどに力の大きい存在がいるので、木っ端だと見向きもされないしご都合主義感が強くなるのをどうすればいいだろうという問題に対して、じゃあその世界の創世史に主人公絡ませればいいじゃん! そしたら力持っててもたくさんいる原作のキャラと関わらせて問題ない! という力技で解決している話しですね。スケールがエグい。

 二次創作なのでどう向かうかという指針はあるわけですが、その世界を一から作りましたという根拠を出すには越えなければならないハードルがたくさんあります。

 というかそうやってオリジナルの世界観を構築してその上に他の作品を乗せるって二次創作じゃほぼみません。なぜならそれって半分オリジナルなので……。それを二次創作でやって納得させるにはハードルがめちゃ高いので……。

 しかしながらそのハードルの高さを乗り越えてこの作品は成立しています。その土壌には東方というジャンル自体が二次創作しやすい大らかな感じなのもあるでしょうが、作者さんの構想力がとても高いことがあげられると思います。

 一話当たりの文字数は短めで、細部まで説明がなされるというわけではないのですが、必要な部分のエッセンスを丁寧に抜き出してそれを描写するのがとてもうまく、するすると読むことができます。ちなみに作者の方の名前をどこかで見かけたようなと思ったら、昔読んでたなろう小説の作者さんでした。そちらも機会があれば紹介するかもしれません。

 東方はあまり知らない私でも、引っ掛かりなく楽しめるような小説であり、オリジナル小説のように楽しむことができる小説なので、興味があるという人には是非お勧めです。

 

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【ネット小説 おすすめ】Webで読めるおすすめ小説 その1

 このブログは今まで私が読んできて面白かった小説の紹介記事を書いてきたわけなんですが、読んできたもの全部紹介すると四桁超えると思うので読んで面白かった物を厳選して記事を書いてます。……なんですけどもう100記事を超えてしまっています。

 ここから明確に好きな小説を探すのは辛かろうということで改めて個人的にすごく面白かった小説をこの記事にまとめとこうという次第です。今更と言えばめっちゃ今更。随時追加しておく予定ですが、たぶんあんまり急いではやらないと思います。

 

 一応今回はファンタジー編と銘打ってますが大雑把にジャンルで分けれない奴も出てくると思うので、まあ目安ということで。あと普通に有名どころしか出てこないと思います。場所は基本的になろう、カクヨムハーメルンから。

 

 

 最果てのパラディン

URL→ https://ncode.syosetu.com/n5115cq/

紹介記事→ 【ネット小説 紹介】最果てのパラディン - オタク文化の切れの端

 詳しい内容は紹介記事読んでくださいという感じなんですが、ざっくり言うと平凡な人間だった主人公がかつての英雄だった不死者に育てられ、その時代の新たな英雄へと成長していく超王道の英雄譚ですね。

 過程を飛び越えて主人公が強くなったりはせず、純然たる人々の力で育っていく主人公の姿はまさに英雄譚に相応しい。ファンタジーの熱いところもしっかりととらえていて、誰にでもおすすめできる作品。

 長い間更新がなかったので未完のまま終わってしまうのかと思いきや、ついこないだアニメ化するとの知らせが。なんにせよまた日の目を浴びるのは間違いないでしょう。

 

 無職転生 - 異世界行ったら本気だす -

URL→ https://ncode.syosetu.com/n9669bk/

紹介記事→ 【ネット小説 紹介】無職転生- 異世界行ったら本気だす - - オタク文化の切れの端

 言わずと知れたweb小説界の王。ファンタジー世界に転生した無職が精神的に成長していく様を描いた長編小説。アニメ化もしましたね。個人的には連載初期から追っていたのもあって感慨深いものがあります。

 ある程度の盛り上がりと伏線のための小休止を繰り返していき、終盤になると今までの伏線を回収しながらバンバン盛り上がっていくので、最初っから花火を打ち上げまくれよ!!! みたいな人には合わないかもしれない。

 

 異修羅

 URL→ https://kakuyomu.jp/works/1177354054882641261

紹介記事→ 【ネット小説 紹介】異修羅 - オタク文化の切れの端

 めっちゃ強い英雄達でバトルロイヤルしたらどうなる? めっちゃおもろくなるを体現した小説。普通は崩壊するこの構成を強い筆力で補っているのでとてもおすすめできる。

 

 とりあえず三つ。時間合ったら他のジャンル作るかもっと増やすかどっちかします。