オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【雑談】あなたのいないところで猫は喋るか?

 この記事は小説の紹介記事ではありません。このタイトルは気に入ってます。今回は小説などの物語においての個人的なこだわりについて書いていきます。

 

 私が小説でも映画でもいいですが、物語を見る時これは合わないと思う要素があります。それは説明されていないことがその世界の現実に準拠していないことです。

 

 詳しく説明すると物語が現実をベースにしているのでそこに生きるキャラクター達はともかく、そのほかの部分(人間、能力とか)は特に説明がないなら現実準拠になっててほしいんですよね。わがままですがそうじゃないと筋が通らないと思っていて。

 例えば物語に猫が出てきたとして、それを皆が猫としてある程度共通して認識できるのは読者の頭の中に『猫』のイメージを持っているからですよね。人によって思い浮かぶ猫は違いますが。

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現実猫

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キャラクターとしての猫

 その共通のイメージを物語の猫に変えるために小説は文字を使って説明するわけですが、これは小説内のどんなものにも言えます。主人公たちキャラクターも元は現実の人間をベースにしているわけですが、こういう性格でこういう見た目で……というのを物語内で付け足していくことでただの人間ではなくキャラクターとして成立するわけです。

 ここでも例を挙げます。ヒロインとかにありがちな『料理が壊滅的に下手』という個性があります。現実でいうなら限度があるんですがそういうキャラクターとして作られているので違和感なく見れます。

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非実在料理さん

 

 ギャグ物の世界観とかもそうですね。こういう世界なので人がぶっ飛んだり死んだりしても次の場面では元通りです。現実はそうではないですが、その世界ではそうなのです。

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ギャグマンガ世界のボーボボさん

 その辺、きっちりしていないと違和感でその物語からはじき出されてしまうような感覚を覚えます。特に多いのはモブの扱いでしょうか。

 心情や人物の描写ならば作者の説明があるのでよっぽど意味不明じゃない限り、違和感は出ません。作者自身がそのキャラについて説明してくれるわけですからね。

 しかしながら自分の物語にてフォーカスが当たってない場所に対してはおざなりになりがちです。まるで虫眼鏡の端っこのように、視点の中心以外が歪むのです。そのせいで周りのモブ達がそろってバカに見えたり、まるで主人公に倒されるためだけに出てきた敵みたいなのが湧きます。もちろん納得できる理由があるなら別ですよ?

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迂闊に関わってはいけません

 結局のところ、創作物とはいえどそれが成り立つのは私たちがいる現実、それが物事を保証してくれるからです。そのだれでも使える公共資源を使って物語を組み立てるならそれに則って。自分が創った物を入れるなら説明して、と。そうじゃないと浮いてしまう。ただそれだけといえばそれだけですね。

 ところでその世界の猫は喋りますか?