【ネット小説 紹介】世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)
おすすめ度☆☆☆☆
(おすすめ度 指標
☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説
☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説
☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ
の目安で付けています)
この小説は現代ファンタジーです。ある日超能力に目覚めた主人公が、いつまでも始まらない非日常にキレて自分から非日常を演出し出す、という面白い切り口の内容となています。
こういう意表を突いた内容だとありがちなのが一発ギャグで終わってしまうこと。表があるので裏がある。この小説で言えば超能力者による秘密結社が世界を守っているという王道の物語が読んではなくても(ああ、こういうやつね)とわかってもらえるからこそ成り立つ邪道です。王道あっての邪道ということですね。
結局元々あるジャンルのパロディになっているわけで、そこを突っ込まないと面白くならないみたいなお約束が結構発生します。例えば仮面ライダーなんかでの怪人逐次投入のお約束にツッコみ入れるみたいな。大なり小なり長く続いたジャンルにはそういうとこがあります。こういうネタをメインに進めていくわけですが、そんなお約束へのツッコミだけで終わってしまいその物語自体に深みがなかった場合、アイデアは面白かったけど……と成りがちです。一発ギャグで売れた芸人さんがその後テレビに残るためには他の部分で力を見せつけなきゃなりませんよね。トーク力やら番組内での立ち位置とかね。それと同じことです。
今回紹介している小説はその辺りをしっかり抑えて、邪道ながらも王道に突っ込むだけじゃないこの小説ならではの物語があります。特に人間関係の表現などは素晴らしく、お約束を少し外しつつも面白さを損なわない、それが作風とマッチしていてとても面白いです。少し世界観の解像度とキャラクターの解像度のピントが合ってないような、そんな印象も受けますが、私の求めすぎであって十二分におすすめできます。
変わった切り口からの小説が好きな人に特におすすめです。
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