【ネット小説　紹介】無欲の聖女は金にときめく

【「無欲の聖女」の題でヒーロー文庫さまより1～4巻発売】お金が何より大好きな守銭奴少年・レオは、ひょんなことから、訳ありの美少女・レーナと体が入れ替わってしまう。
なんでもレーナは、かつて冤罪で貴族社会を追われた侯爵令嬢の娘で、このままでは貴族の集う学院に召集されてしまうのだが、それが嫌で、魔術を使って逃亡を試みていたらしい。
報奨として提示された金貨につられたレオは、レーナの代わりに学院に行くことを決意する。
学院に顔だけ出してとんずらするつもりだったレオ。しかし、絶世の美貌と独特の価値観を持つレオを周囲は「高潔の少女」と勘違いし、侯爵夫妻や皇女、はては帝国第一皇子までもが興味を持ちはじめ――？
後に、「無欲の聖女」と呼ばれることになるレオノーラ・フォン・ハーケンベルグの物語。
※完結しました。現在は番外編を不定期連載中です。

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度　指標

☆5つ　万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ　小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ　少し癖があるものの小説好きにおすすめ　

の目安で付けています）

　この小説は異世界ファンタジーです。勘違い物ですね。コメディなんですが転生などの要素はありません。完結済み。

　異世界で勘違い物、それにコメディとなると転生や転移した現代人が主人公、もしくは中心人物のことが多いです。理由としてはコメディ要素を地球側と異世界のギャップに求めやすいからですね。

　例を挙げるとビー玉とかですかね。異世界だと家宝として重宝されているのが現代だとどうでもいいようなビー玉みたいな。これは無双系の異世界転生でよくみられるあれなのでちょっとズレてるかもしれませんがギャップがあるとギャグとして落としやすいというのは分かると思います。異世界で一からやるとすると今身近にあまりないものをテーマにしなくちゃいけないので大変です。異世界で一からギャグを作るよりも、地球の価値観とのズレで表した方が作者的に楽ですし、読者にも納得させやすいです。

　しかしこの小説は現地の異世界人（読者視点）のみで話を作っています。作者の方の実力が高く、異世界での事のみできっちり笑えて面白いストーリーが展開されています。キャラクター造形や話の展開などがとてもうまく、設定に頼った面白さではなく高い筆力がわかる感じがとてもすごいなぁと思います。

　この小説のほかにも多数の書籍化作品があり、そのどれも高いレベルでまとまっているので機会があれば読んでみるのもいいかもしれません。

　なんか堅苦しくなりましたが楽しく笑えてストーリーも面白いという良作です。完結済みでもありますので更新を待つこともないです。おすすめです。