オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【小説紹介と雑談】『追加戦士になりたくない黒騎士くん』と小説サイト毎の作中の表現

自分をワルモノだと思っていたヴィラン、“黒騎士”こと穂村克己はとうとう最終決戦に敗れ、ヒーローに捕まってしまった。
しかし、捕まった彼を待っていたのは監獄でも警察ではなく、まったく別の地獄であった。

戦隊ヒーローと呼ばれる存在が実際に現れてから一年。
これは色々とズレた常識を持っているヴィラン、黒騎士くんが一般人に勘違いされたり、ヒーローに追加戦士にされそうになったりするお話である。
※この作品はコメディとなります。

 

 

おすすめ度☆☆☆(☆)

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 この小説は変身ヒーローをテーマにしたSF・コメディ小説です。内容としては主人公がヒーローとして活動していくうちに他のヒーローや敵に追い掛け回されたりする話ですね。なんか雑な感じですが、変身ヒーロー物って前提が多いのでなかなか端的に書きづらいです。なんでベルトで変身するのとか何で敵が来るのとか変身ヒーローのテンプレートってなかなかに独特ですよね。

 その割には人気が衰えることなくずっと続くジャンルですし、海外だとマーベルみたいなめちゃくちゃに大きなヒーロー物もあります。変身ヒーローというのはなかなかにいろんな人へ刺さるジャンルですね。自分はそんなに予習していませんがマーベルの有名どころくらいは見ないとなーと未来の予定に書きこんではいます。

 とまあ脱線しましたが、この作品自体は日曜朝にやっている仮面ライダーや戦隊ヒーローのネタを多数盛り込みつつも、軽いコメディとSFで進んでいく変身ヒーロー物として王道な構成です。いや、自分が日曜朝のその辺の番組を見たのはかなり昔のことなので今はそんなんじゃないぜ! って言われると浅学でしたと言うしかないんですが、個人的なふんわりとした印象として聞いてください。

 いわゆるお約束が多数盛り込まれつつも、ライトノベルの軽い感じで進んでいくこの作品。楽しく読むことが出来ました。こういうのが好きな人はもっと楽しめると思います。

 

syosetu.org

 

 

 ここからは雑談なんですが(今までが雑談じゃないかと言われるとアレですが)私が最近気づいたのはハーメルンでは作中の表現にいろいろな形があるなーということなんです。

 ここでいう作中の表現というのは基本の文章や文字以外に何か変化を加えた物のこととしておきます(例、物語の地図 文字の色や大きさの変化 文章での○○の再現等)

 今回紹介した小説もそうですが、変身シーンだとみたいな色を使って見たり、lineを再現してみたり、掲示板のフォーマットを再現してみたり、いろんな手法を用いられているなーと思いました。

 なろうやカクヨムでもこういうような工夫がないなんてことは全然ありませんが、やはりハーメルンに比べると数も種類も違うなーと思います。(それ以外のサイトはあんまり読んでないので比較できません)

 個人的にこういう文章以外の表現はあんまり好きではなく、それは多分オリジナルの作品しかほとんど読んでこなかったのでキャラ立ちや物語がしっかりしていないときに、このような表現に頼るとその表現に作品自体が寄せられてしまい、そういう表現を世界観の補強に使うのならば別媒体でやった方いいんじゃないかみたいな頭の固い考えが根底にあるせいだと思います。

 しかしながらハーメルンの小説は大体がまずキャラ立ちを第一として、世界観自体は二次創作のような皆が知っていたりする世界や、テンプレートとしてしられる世界観(異世界転生や○○といったジャンル)を使う形が多い気がします。

 そのような環境であるならば、いかにその世界が読者と思い描く物と同じなのかを証明する手段としてこのような作中の表現を使うのは正当な進化なのかなーみたいな気持ちになりました。

 好きじゃないといってもこういう表現を使う小説が私にとって面白くない物になりがちだったからの苦手意識なのでその物語に合ってるならヨシ! と思っております。それが面白いならオッケー!

 長々書きましたが以上です。ふんわりとした雑談でした。