オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【小説紹介と雑談】『狂走馬と呼ばれまして』とウマ娘の話し

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 

 今回の小説は今流行りに流行っているウマ娘の二次創作です。と言ってもウマ娘のキャラクターは登場せず、競走馬に転生した主人公とそれに振り回される周りの関係者たちのイベントがメインなのでウマ娘やってませんって人でも楽しめると思います。

 人の知能を持った馬が周りをかき回しながらレースではきっちり締めて勝っていくというのがとても面白いですね。牧場などの関係者描写が割とリアリティがあり、容易に想像しやすく、そこに主人公の行動などが合わさってコメディとしても、競馬バラエティとしても楽しめてとてもグッド。

 ウマ娘をやっていない人でも楽しめるのでこの機会にどうでしょうか。おすすめです。

syosetu.org

 

 ここからは雑談です。

 

 すごく面白い物語というのは本来の軸に複合して別の面白さも持っていることが多いです。今回あげたウマ娘であれば史実の馬たちにおけるレースというスポーツ物の要素と、それを人に寄せて作られたウマ娘とのエピソードが盛り立てるという構成になっていて、エピソードにより感情移入したキャラクターがライバルとのレースという熱い舞台で勝つという構成になっています。レースという主軸にエピソードというもう一つの面白さを組み合わせて相乗効果を生み出してるということですね。

 この構成はたくさんの物語でも見られるベーシックな構造です。周りの人間との関係を深め、それによって得た力を何らかの勝負事で反映する。ジャンプの標語であった友情、努力、勝利です。今は他にもたくさんの漫画の形態が発掘されたので、あまり聞かなくはなりましたが、スタンダードでかつ力のある型なのは間違いないでしょう。

 ウマ娘のアプリで言えば自分の選択肢がキャラクターの成長に繋がるシステムなので感情移入のしやすさもあり、手の込み具合も相まって流行るのはとても納得だなぁと思います。 ちなみに自分はウマ娘ちょっとやってたんですがガチャが渋すぎたのと、ソシャゲに時間取られすぎそうだったのでやめています。ゲーム自体はとても面白かったです。

 ハーメルンのランキングを見るにウマ娘の二次創作がめちゃくちゃに出てきていて、すごい活気だなぁと思っています。何作か読んでみましたが、面白いものも多く、更新の頻度もめちゃくちゃに高いので作者さんのモチベーションがすごいんだなぁと感じています。

 鉄は熱いうちに打てといいますが、このような流行りはそのゲーム自体もそうですが、そのジャンル(今回のウマ娘であれば競馬、そこから発展してスポコンなど)に熱を吹込み、再発掘、そして深堀に繋がっていくと思うので、こういうクオリティの高い創作物がでるのはとてもいいですね!