オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【小説紹介と雑談】『【完全版】俺は何度でもお前を追放する~ハズレスキルがこのあと覚醒して、最強になるんだよね? 一方で俺は没落してひどい最期を迎えるんだよね? 知ってるよ、でもパーティーを出て行ってくれないか~』とタイトルの話

※書籍化すっ飛ばしてコミカライズする事になりました! 詳細は後日!

 父親を魔王に殺された青年エリウスは、成人の日に

「取引すれば、新たなスキルによって魔王の討伐を早くできる」

 と語る男と出会う。
 男の言葉を疑いながらも、エリウスが取引によって手にしたのは「導(しるべ)」という、魔王討伐までの五年間を繰り返しながら、必要な因果を発見することのできるスキルだった。
 導の力で何度も五年間を繰り返しながら、聖女や槍の名手といった、強力なスキルの持ち主達を発見し、魔王討伐への手応えを感じるエリウスだったが⋯⋯。

  あらすじより

 

 おすすめ度 ☆4

 

 今回の小説はなろうで流行ってる追放系のエッセンスが入ったタイムリープものですね。もう完結もしていてラノベ一冊分ほどの内容できれいにまとまってます。タイトルがちょっと長いですが、内容は非常にきれいにまとまっており、このストーリー展開なら欲しいという展開がしっかりと入っていて、非常に無駄なく話が進んでいきます。盛り上がるところは盛り上がりとても面白く読めました。そんなに長くないやつがいいけど何か読みたい!という人には特におすすめ。

 

 

https://ncode.syosetu.com/n4623gx/

 

 

 ここからは雑談ですが、ラノベのタイトル長いよねという話。私みたいな人間だと長すぎるタイトルを見るとちょっとうーんと思ってしまいますが、これはタイトルを含めた小説自体の完成度を見たときにもっと適切な言葉があるだろうと考えるからですね。他にもこのタイトルによって釣られる読者層に私が入ってないことが多いっていうのも理由なんですが、最近は長いタイトルでも普通に私が面白いと思える小説が増えてきているのであまりあてにならない感じはします。

 

ラノベのタイトルが長くなったのはいつ頃か? タイトル文字数の長さを年別分布にした図表が興味深い - ねとらぼ

 

 このリンクにもあるように少なくとも商業のライトノベルはタイトルの長さが増えているようです。私のような人間は実際のところ少数派で、しかしながら発信する人間もこの少数派に属しているところが多く、ここに好かれる小説→つまり簡潔なタイトルが昔は好まれてたのでしょう。たぶん。小説の完成度という項目でいえばそちらのほうが自然ですし、ライトノベルという枠にオタク目線の厳しい視線が注がれていた時代はそちらがベターだったのかなと思ってます。

 しかしながら今は漫画と同列とは言わないまでもかなり気軽に消費されるようになったライトノベル。この辺は単純にIPが金になるみたいな感じで消費スピードが速くなったことが原因だと思いますがここは置いときます。なのでリーチしようとしてる層が変わればそこのベストも変わってくるわけで。SNSの発達なんかも増えてだれでもある程度作品について発信するようになり、同じ声の大きさなら多数派の好みをとるよねってことでタイトルが長くなったのかなぁなんて考えてました。めっちゃ端折ったんですけど伝われ。

 まあ少なくともタイトルで内容を分かりやすく説明しろっていう指示は出ているでしょうし、そのほうが数字が出るのでしょう。webのほうもランキングに乗るために同じ考えを採用してる人が多いはずです。ちょっと悲しい。

 しかしまあその流れの中逆らって本来読みたかった小説を見逃すのは本末転倒なので頑張って見極めていきたいものです。