オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【ネット小説 紹介】転生勇者が実体験をもとに異世界小説を書いてみた

おすすめ度☆☆☆☆ 

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 

 この作品は作家の乙一さんが書いた異世界テーマの短編小説です。乙一さんはミステリーの分野でとても有名であり、ライトノベルやホラーも書く幅広い作風で知られています。

 私は乱読派ではあるものの、ある時から単行本は全くと言い程買ってないので乙一さんは名前だけ知っているという感じでした。そもそもミステリーというジャンル自体、履修してなかったのでまあ今後読むだろうという感じで放置してた次第ですね。

 これは改善しなきゃいけない類の話しなんですが、私はあんまり謎を解くみたいなことに面白さを見いだせない性質なんですよ。常に少ないエネルギーをやりくりして何とか生きてるので謎解きみたいなカロリーを使うけれどもう答えは用意されてるみたいな問題はスキップしてきたというか。そんな経緯があるのでいまいちやる気になれないという。

 まあ何でも楽しめた方が得なのでこの辺りの習慣は治そうとしてはいるんですが、元々活力がない問題はいかんともしがたく。この辺は幼少期からの経験が影響しているので先を長く見ています。

 とまあ脱線しました。本題はミステリーやライトノベルを書いている乙一さんの話しですね。

 そんな作家さんの短編がRTで流れてきたわけですが、題材が異世界転生物なのでちょっと驚きました。読んでみると内容自体はそこまで目新しいという感じではないのですが、するすると入ってくる文章で非常に読みやすく。それでいてきっちりと意図したことを文字数に反して多く伝えてくるまさに短編のお手本のような書き方。やはり一線で活躍し続ける作家さんはすごいなぁと素直に感動しました。

 小説書きというのは誰でも書ける文字を商売道具にしているわけですから、あまりプロと素人の垣根というのが分かり辛い職業です。それでも異世界転生をテーマに据えて書いた短編がとても面白いというのはやはりプロというのは一味も二味も違うと思わされます。余裕が出来たら既存の作品も読んでいきたいですね。

 おすすめ度が5じゃないのは刺さる場所が少し限定されているかなと感じたからです。まあこのサイトを見ている人には多分関係ないと思うのでアレなんですが。とても面白く中身もそこまで長くはない短編ですので是非読んでみてください。

 

j-books.shueisha.co.jp