オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【ネット小説 紹介】リビルドワールド

*電撃《新文芸》スタートアップコンテストの大賞を受賞いたしました。
 皆々様の応援誠にありがとう御座います。今後とも宜しく御願いいたします。


 命賭けで足を踏み入れた旧世界の遺跡で、少年は全裸でたたずむ奇妙な美女と出会った。
 スラム街から這い上がるためにハンターとなった少年の名はアキラ。アキラにしか見えない非現実的な美貌と、誰にも触れられない魅惑的な肉体を持つ、得体の知れない美女の名はアルファ。
 アルファは真意など欠片も見せない微笑みでアキラに依頼を持ちかけて、アキラはハンターとして成り上がるためにその依頼を引き受けた。
 2人の契約が成立したその時から、アキラとアルファの数奇なハンター稼業が始まった。

 

 あらすじより

おすすめ度☆☆☆☆☆

 

 

 この作品はSFアクションです。かといってその筋の人にウケるだけのものではなく、ベースがSFの冒険活劇と言った方が正しいでしょうか。

 SF作品と言えば背景設定の重厚さがよく特徴として挙げられますが、この作品も例に漏れず、科学文明が崩壊し再構築された世界が創り上げられていて、それが主人公たちや地の文を通してしっかりと伝わってきます。

 特に地の文の密度は非常に濃く、昨今のweb小説とはかなりの開きがあります。どっしりと根を下ろす世界観から紡ぎだされる少し硬めの文体は良くも悪くも”重さ”を感じさせる文章です。しかし読んでいるうちにそれはなくなっていきます。しっかりと作られた設定の魅力とキャラたちの臨場感溢れるアクションなどがその重さを感じさせず、世界観を構築する豊富な材料になっていくのです。

 この小説を最初に見つけた時に、またすごいのが出たなぁと思っていたのですが、中身のすごさや評判の割に書籍化が遅く、なんでだろうと思っていました。しかし去年の電撃《新文芸》スタートアップコンテストで大賞を受賞したとのことで、ようやくきたのかと思ったことを覚えています。それと同時に、こういう文体なら電撃文庫はあってるなぁとも。

 あとこれは個人的な疑問なのですが、こういうSF的な強化外骨格で武装して敵は先時代の機械群。それらを操る超高度のAIが……みたいな世界観ってどこ辺りが源流なんでしょうね。昔からあんまりSF系統を履修してなかったので、こういう系統の作品がどのあたりから一番影響を受けているのかを知らないんですよ。一応ロボに乗り込むって感じだとエヴァとかコードギアスなんかは見てるんですが、あの辺はまた違う系統樹って感じがしますし。だれか知ってたら教えてください。

 脱線しました。ずっしりとした文章は多少人を選びますが、それを余裕で上回るくらい中身が面白いです。私個人としてはシェリルがいじましくて好きですね。

 文明が一度崩壊した世界でロストテクノロジーの機械相手に大立ち回り。そして埋もれたお宝を……なんて世界観がお好きな方はぜひ。ハマること間違いなしです。

 

 

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882530555

 

 

 

 

 

リビルドワールドI〈上〉 誘う亡霊 (DENGEKI)

リビルドワールドI〈上〉 誘う亡霊 (DENGEKI)

 

 

 

リビルドワールドI〈下〉 無理無茶無謀 (DENGEKI)

リビルドワールドI〈下〉 無理無茶無謀 (DENGEKI)