オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【ネット小説 紹介】毒舌少女のために帰宅部辞めました

【2018.3.18 第123話完結済】
 帰宅部プロフェッショナルを自称する高校二年生の『榊木彗』は自由に使える放課後を日々謳歌していた。
 入部届も退部届も不要のホワイト部活、帰宅部。その一員であることに最大限の誇りを持つ彼は高二の秋、とある美女教師から任務を与えられた。

「問題児・日羽アリナの毒舌を治療せよ」

 幾多の男からの告白と求愛を踏みにじってきた容姿だけは100点満点のアリナ。
 ある日、【毒舌薔薇】という異名を持つ彼女を更生してほしいと彼は頼まれた。
 地上最強部活動・帰宅部の一員としては禁忌の行為である、放課後に学校に残ることを彼は迫られたが美女教師の依頼を断ることはできず、放課後は学校で時間を費やすことに。

毒舌と暴力の権化のような美少女
《日羽アリナ》
冗談しか言わない帰宅部
《榊木彗》

 二人の狂ったスクールライフは罵倒とジョークでいつも混沌としている。
 しかし彼はまだ、彼女に隠された秘密と幻を知らなかった――。

 

 

 

 本文紹介より おすすめ度☆☆☆☆ 書籍化済み

 

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 この小説はラブコメです。主人公は高校二年生、帰宅部で有り余っている暇を教師に見咎められ、毒舌美少女(ヒロイン)の更生を依頼される。その過程でヒロインの秘密を知っていく……といったあらすじとなっております。

 まあ特段新しいことはない設定なのですが、この小説は地の分と主人公周りの掛け合いによって軽快に読み進めることができます。こういう形式を何と呼べばいいのかわからないんですが、たぶん日常系ですかね? コメディ分を増やしまくると生徒会の一存みたいになって、それを削るときらら系列のアニメに準じた感じになるというか。この小説のグラデーションはコメディ分多めです。

 コメディに力を注いだ小説というのはなろうだと結構珍しく、私はラブコメでもコメディに振った作品の方が好きなのでこういう小説が流行らないかなぁと思う次第です。

 少し悪いところをあげるならこの小説、序盤がかなり荒いです。突然、ヒロインの更生を教師に依頼されるところから始まるので唐突な感じがします。他にも荒いなぁと思うところがちらほらと。

 しかしそれを補って余りあるのがラブコメとしての完成度です。序盤から続く軽快なトークでキャラ立ちをさせ、そしてそれを下地にした王道のラブストーリー。ラブコメという組み合わせの相性の良さがこれでもかと理解させられます。

 特に最終盤の盛り上がりはかなり秀逸で、普段あまり読み返しはしないのですがその部分を何度かリピートしてました。ラブコメはコメディ部分が日常の思い出になって恋愛の部分の後押しをしてくるのがずるい。

 つよいラブコメが読みたい人におすすめです。

 

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883061836

 

 

毒舌少女のために帰宅部辞めました (角川スニーカー文庫)

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