【ネット小説 紹介】最果てのパラディン
かつて滅びた死者の街。
そこには1人の子供と3人の不死なる者たちが存在した。
かつて英雄であった不死者たちに養育される少年、ウィル。
技を継ぎ知識を継ぎ、愛を注がれ少年は育つ。
解き明かされてゆく、不死者たちの過去、秘めたる謎。
その全てを知る時、少年は聖騎士への道を歩みだす。
※ライトに読める、古風で王道なファンタジー英雄譚を目指します。
※コミックガルドにて、現在コミカライズ連載中です(http://over-lap.co.jp/gardo/)
おすすめ度☆☆☆☆☆
(おすすめ度 指標
☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説
☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説
☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ
の目安で付けています)
この小説はハイファンタジーです。転生要素はあるものの王道でしっかり芯の入った英雄譚となっています。
あらすじにあるライトに読めるという言葉に偽りなく、なろうの文脈から入ってきた読者にもとっつきやすい文体ではありますが、しかし熱いところはしっかり熱く、英雄譚とはこういうものだったなぁと思い起してくれるような、そんな熱を感じます。
基本的に一人称で語られる主人公は理性の狭間で揺れる普通の精神性を持っており、そんな中で人を信じ迷いながらも進む姿は人間の善性を語るに相応しく、実に”らしい”ですね。こういう小説を読むと汚れ切った心が少し浄化されて行く感じがします。
個人的な考えなんですがこういう英雄譚の人間賛歌ってきちんと悪性が描けるかというのがキモだと思うんですよね。そこを認めないで人間って素晴らしいって叫んでも薄っぺらくて説得力ありませんから。そこを認めて受け入れつつも、何らかの回答を叩きつけるというのが古来より伝わる由緒正しき英雄譚という気持ちがあります。
世界観も英雄譚に求められるものにしっかりと答える重厚なつくり。人間の描写も実に合っていて息遣いを感じさせるもの。ライトに読める、王道ファンタジー英雄譚の看板に偽りなしです。一時期はおすすめのファンタジー小説は? と聞かれた時に真っ先にこの作品を上げていた覚えがあります。
王道でわかりやすい人間賛歌であり、その完成度から誰にでも勧められます。チートやサクッと読める小説に少し飽きてきた、幼い頃のようなワクワクを! みたいな人に特におすすめです。
惜しむらくはかなりの間更新や書籍の続巻が出ていないことから、続きが書かれないことが濃厚なことでしょうかね。いずれ戻ってきてくれることを願っています。
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