【ネット小説 紹介】脱法勇者
冒険と英雄の時代は、リクが生まれたときにはもう終わっていた。 平和になった世界では、武器も魔法もすべて違法。 かつての英雄は、法律で牙を抜かれ、りっぱな社会不適合者と化した。 そんな世界で。 最強の勇者夫婦の子供として生まれたリク。 彼を監視する幼なじみの法律家アルル。 二人の合法的ファンタジー。 リクは絶大な潜在能力を持つ。 冒険と人助けにあこがれるが、理不尽な法律にしばられる。 彼の武器は「世界の半分を手に入れる」という「ある能力」。 アルルは違法行為をした勇者を完全に無力化できる。たとえ相手がどんなに強くても。 ただし戦う力はない。 彼女の目的は、リクが「ある能力」を自覚しないよう防ぐこと。 平和な日常が続くはずの世界に、消えたはずの過去の奇病がよみがえる。 リクはこの土地を救わなければならない。 かつての最強の英雄たちに接触し、 その中から犯人を見つけ、 倒すのだ。 しかも「合法的」に。
おすすめ度☆☆☆☆
(おすすめ度 指標
☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説
☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説
☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ
の目安で付けています)
この小説はハイファンタジーです。私はノベルアップの小説は全然読んでいないのですが、この作者さんのことを追っていたのでこの小説だけは読んでます。ちなみに前紹介した記事はこれ。累計ランキングだと二位みたいですね。一位の作者の方をどっかで見たなと思ったらこれまた前に紹介記事書いた作者さんでした。すごい。記事はこれです。
軽くあらすじ。勇者の血筋として才能に恵まれまくった主人公。しかし平和になった時代では武器も魔法も違法であり、厳しく取り締まられていた。そんな中で合法的に冒険する物語といった感じです。
この作者さんの短編はどれも非常に出来がよく、そこから私はファンなのですが、それらに共通する特徴として無駄が全くないということが挙げられます。この作者の方は必要な要素を必要なだけきっちり配置するのがめちゃくちゃうまいです。無駄な文が全然ない。それがこの作品でも存分に出ています。
当たり前ですが短編と長編では勝手が違います。短編ではゴールをきちんと見据え、それまでの道筋である文意の圧縮が重要になりますが、長編では物語の終わりは遠く、ゴールは遠目に見据えつつ、緩急をつけて進行しなくてはなりません。かなり別物です。
なので長編大丈夫なのかなと思っていたのですが問題ありませんでしたね。少し外しつつも、ストーリーラインは冒険譚できっちりしています。キャラの立て方に無駄がないのに魅力的で特徴的なキャラ、世界観の説明も自然できれい。地の文の運び方が癖になります。
しかし心配なことが一つ。最近更新が止まり気味なことです。どのあたりまで作品が伸びるかはわからないので想像でしかないのですが、現在序盤から中盤に差し掛かったあたりなのではないでしょうか。ファンタジーは味が出るまで時間がかかり、ここからがもっと面白くなってくるところなので杞憂であることを願います。
総じて面白いファンタジーを読みたい人におすすめです。
https://novelup.plus/story/133552962