【小説紹介と雑談】魔女狩り聖女
聖女と騎士の物語は、いつだって悲劇で終わる。
魔女禍。それは女にのみ現れる悍ましい病、あるいは呪い。
魔女となった女は正気を失い、異形の怪物へとなり果てる。
そして聖女と騎士と呼ばれる者たちが、そんな魔女を狩り続けていた。「聖女なき騎士」レーベン。
ただ一人で魔女を狩っていた彼はある夜、「騎士なき聖女」シスネと出会う。
それは歪な聖女と騎士の、長く短い戦いの始まりとなった。これは世界を守る英雄の物語ではなく、世界を変える狂人の物語でもない。
大いなる災いの中、ただ望む己であることを願った二人の物語。
おすすめ度3.5
この小説はハイファンタジーです。人間の女が魔女と呼ばれる化け物になる世界でそれを狩る騎士は聖女と呼ばれる回復役と二人一組で戦うのが常識の世界。そんな中で一人で戦っていた異色の騎士である主人公が、これまた一人で戦っていたヒロインとであるころから始まります。
内容としてはダークファンタジーのめちゃくちゃ王道といった感じで、奇をてらうような感じが一切なく、基本的に暗めの雰囲気で進むストーリーとそれに似合った重めの戦闘描写がメインですね。
そのまま進むと重くなりすぎるのを主人公やその周りの会話でうまくバランスを取っているのがうまいなぁと思います。三人称で進んでいく物語にぴったり合った文体や表現も手堅く、高いレベルでまとまってる印象です。
ネット小説にありがちな要素はあまりなく、きっちりとしたダークファンタジーなのでこういうのがお好きな方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。