オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【雑談】所謂テンプレはどこから来ているのか

 今回は雑談です。話題はテンプレについてですね。

 テンプレートは今日日、色んなところで聞く単語ですが今回の話しでは小説や漫画、アニメなどに出るテンプレートについてでも。

 基本的にジャンル分けされていてどんな部類の作品でも類似の作品が相当数ある現状、テンプレというのはもう出来ているものです。それが人気ジャンルならばなおのこと。

 例えば釣り目のキャラは強気、クールなキャラは寒色系のカラーというようなキャラクター造形のテンプレや、なろうで言えば異世界転生物や悪役令嬢物といったストーリーのテンプレというのが脈々と受け継がれてきているわけです。

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釣り目でクールキャラな18号さんは全体に青のカラーがチョイスされています

 このような”お約束”というのはそのようなポップカルチャーに触れていると自然に覚えていくものですが、その実それがどこから、どうやって出来たのかというのは意識しないとわからない項目だったりします。消費するだけならそんなことは考える意味がありませんし、それを知ったからどうなるというわけでもありませんしね。

 しかし皆さんも覚えがあると思いますが、この○○なんか薄っぺらいなーと見るのをやめたり、なんかもう予想できるしつまんないやと放置してしまう。こういうのってそれこそよくありますよね。

 基本的に世の中の漫画、小説(特にラノベ)の半分以上はその辺りのテンプレートを感覚でしか理解していないか、もしくは型の輪郭ははっきりわかるもののそれ以外ができないため、そこを守りつつオリジナリティを出してくる他作品との競合に負けてしまっています。

 割と当たり前のことなんですが、テンプレというのは同じジャンルの作品群がそうしているからという理由で出来ているわけではありません。

 テンプレートの起源は基本的に必要性があったためそうなっているんです。

 例えばですが清楚な少女のキャラクターがいたとします。清楚という個性があるため、派手ではなく、基本的に保守的な性格になるわけです。そんな謙虚な彼女が髪の色を染めたり、自己主張の激しい髪型をすることは何か理由がなければないはずです。ということで日本人の基本的な髪色である黒髪、もしくは黒が濃い茶髪のショートカットやロングになることが自然である……となります。

 同じようなことがストーリーにも言えます。例えば悪役令嬢物は必ずと言っていいほど序盤で転生前の記憶を思い出したり、何かしらのアドバイザーが現れます。これは物語の起を担う役割とこのままいけば悪役令嬢ですので悪役として断罪されてしまいますから、流れを変える存在が必要という理由があります。他にも転生だと著者である現代人の土俵で描きやすいだとか、その他細かい理由はいくつもありますがストーリーは複合的要素が多いので一部抜粋にとどめます。しかしながらそのどれもが必要性に駆られてのことです。

 必然性によって開拓されたその初めの一歩を皆が有難がり、道しるべとして利用するからこそテンプレというのは生まれることになります。その辺を理解しないで型だけなぞっているとなんか中身ないな……となってしまう作品が誕生するわけですね。

 基本的に受けている創作物というのはそのような必要性によってできたテンプレートを必要性によって壊し、ギャップを生んでオリジナリティを出すか、新しい領域を開拓してテンプレートを生み出すかのどちらかなわけですが、かなりの領域が開拓されている現状、前者が多いのは自然の摂理とも言えますね。

 とまあこれから先は脱線になりそうなのでここまでに。最後に清楚なキャラクターの画像を貼って終わりにしたいと思います。

 

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清楚な月ノ美兎さん