【小説紹介と雑談】黒の魔王
あらすじ
黒乃真央は悪い目つきを気にする男子高校生。彼女はいないがそれなりに友人にも恵まれ平和な高校生活を謳歌していた。しかしある日突然、何の前触れも無く黒乃は所属する文芸部の部室で謎の頭痛に襲われ気絶。次に目覚めた時には……。剣と魔法、モンスターの闊歩するオーソドックスな異世界召喚モノ！ ※この度、晴れてコミカライズしました！ 『コミックウォーカー』『ニコニコ静画』でどうぞご覧ください。これからは、なろう版、書籍版、コミカライズ、ともによろしくお願いいたします！
本文紹介より
この小説『黒の魔王』は非常にオーソドックスな異世界転生物です。私が高校生くらいの頃に読み出した記憶があり、かなり昔から続いている小説でもあります。最新話まで現在の話数は驚きの７３６話（９/１３時点）！ 今でも週に何度か更新されていて止まってしまうといったことがないのが素晴らしいと思います。
オーソドックスな異世界転生と書きましたが、それは最初のシュチュレーションの話しであってその実は中身の濃い異世界ファンタジーとなっています。
主人公は最初の境遇からしてチートをもらって無双といった感じではなく、召喚直後に自由を奪われ実験体として強制的にモンスターと戦うことを強いられます。苦痛の伴う人体改造、油断すれば即死亡の過酷な環境で必死に生き抜く主人公。ついにはそれと知らずに同じような境遇にあった人間まで殺してしまい、狂いかけてしまった主人公でしたが、警備の隙をついて逃げることに成功。ここから冒険が始まる……といった感じでまあ始まりからして世知辛い。
主人公が強くなる理由を簡略化して無双するような昨今の流れとは真逆。主人公はどんどん強くなるのですがそれに伴う苦労がきっちりと描かれています。大いなる力には大いなる責任が伴うといったわけではないですが、やはり力にきちんとした理由がついているというのは安易な逃げ感じさせず、好感を抱きます。
他にもヒロインたちや出てくる登場人物も人間味があって一筋縄ではいかず、どれもすんなりと行くことはありません。それが世界観のリアリティを増しています。ヘビィな展開が続きますが一人称の取っつきやすい文章なので読みやすいです。ただ文章量が凄まじいのでそこで足踏みしなければ、とつきますが。
この黒の魔王、現在コミックウォーカーで漫画連載がスタートしてしています。最近になってこのような古参の小説たちが掘り出されてフューチャーされてるのをよく見ますが、いいことだなぁと思います。今なら無料で最初の方を読めるので興味を持った方はぜひ漫画からでもどうぞ。
チート持ち主人公の無双に飽きてきた人や綺麗なだけのファンタジーはお腹いっぱい、もっと違うライトノベルを！ という人にお勧めです。
https://ncode.syosetu.com/n2627t/
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000087010000_68/
