【ネット小説　紹介】始まりの魔法使い

神秘を探すことに生涯をかけ、何も見つけられずに人生を終えた男。最後の最後に念願が叶って転生を果たした異世界は、何もかもが未発達な原始時代だった。

魔法、魔術。
それを一から作り上げた男の物語。

本文紹介より　おすすめ度☆☆☆☆（☆）4.5

(おすすめ度　指標

☆5つ　万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ　小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ　少し癖があるものの小説好きにおすすめ　

の目安で付けています）

　この小説はハイファンタジーです。現代世界で科学では説明できない神秘を探し求め、終ぞ見つけられずに終わった主人公が異世界に転生。竜として産まれなおした主人公の、神秘溢れる異世界での人生が始まる……といったあらすじです。

　主人公は竜、つまり圧倒的強者として生を受けますが、この小説からは無双といった感じはあまり見受けられません。魔法という神秘とそれに伴い増えていく主人公と周りの関りがメインです。

　この世界に眠る神秘の究明とそれに伴って増えていく主人公の仲間たち。原初の時代から竜の長い時を使って段々と文明が花開いていく。時には己よりも強大な敵と戦い、時には自分の手足よりも小さな人間の心に振り回される。時には愛が芽生え、そして出会いと別れを繰り返す。主人公から見たこの世界の息遣いを感じとり、たくさんの神秘に心揺さぶられる。それがこの小説の醍醐味です。

　主人公は普段はおっとりしていて、時に新たな神秘に目を輝かせる。そんな人柄となっており、そんな彼を覗き穴としてみるこの小説はとても読みやすいですが、それがこの世界の神秘を薄めることはなく、大きく創りこまれた世界観に浸ることができます。私は主人公の母親がとても好きですね。

　主人公は最終的に人化するのですが、それが自然だと思える展開なのでモンスター主人公は人化するな！　という批判はこの小説には当てはまりません。この批判は○○というモンスターが自由にふるまったらという読者の要望から来るものなので、最初から人の心を持ち、人のように振舞う今作の主人公には関係のない話ですね。

　本当は☆5としようと思ったのですが、終盤辺り（戦闘）の展開が少しだけ違和感を覚えてしまったので4.5になっています。とはいえ好みの範疇だと思いますし、魔術、竜なんて言葉にワクワクを覚える人には間違いなくお勧めできます。

　ファンタジーへの没入感を求めてる人にお勧めです。

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154953954