オタク文化の切れの端

基本的にweb小説を紹介するブログです。普通のラノベも読みます。批評とかもします。たまに一般文芸とか映画の感想とか思ったこととかが入ります。

【ネット小説 紹介】僕と彼女と実弾兵器(アンティーク)

 地球人、冷凍睡眠目覚めてみれば、そこは未来の銀河帝国

 孤独な宇宙船の中で見つけた謎の装置によって、BISHOPと呼ばれる電脳プログラム技術を身に着けた主人公。21世紀の常識を持つ彼が、妙に俗的な人工知能ロボットや、金にがめついメカニック少女、童貞仲間や賞金稼ぎといったクセのある仲間と共に、目指すは銀河の遥か故郷、太陽系第三惑星は地球。
 何をするにもまずは資金と、コープ(会社組織)を立ち上げ会社経営。大人のおもちゃの運送会社が、銀河規模での大戦争へ。

 エロ動画の搬送任務から、採掘、生産、交易。そして大規模艦隊戦までを描く、初心者にもとっつきやすいSFを目指して。

 

 

本文紹介より

 

おすすめ度☆☆☆☆

(おすすめ度 指標

☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説

☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説

☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ 

の目安で付けています)

 

 

 この小説はSFです。SFと言っても本文紹介にあるようにとっつきやすいSFです。宇宙をベースにした冒険活劇ですね。

 話の展開がスムーズで設定が煩雑になりがちなSFでありながら、物語がポンポンと進んでいきます。キャラ立ちもよく、実にライトノベルって感じで楽しく読めました。

  eveonlineという宇宙をベースにしたmmorpgがあるのですが、その設定を参考ベースにしてることで地固めがしっかりできてるのがこの安定感に繋がっていますね。

 しかしそれを考えてもスペースオペラの部分は作者さんの力量の賜物であってよくここまで仕上げたなぁと感心します。この辺のSFというのはweb小説だとそこまで見ないジャンルなので新鮮に読むことができました。

 余談なのですがこの作品、書籍化していますが売れ行きが芳しくなかったのか二巻で打ち止められています。正直文章の方に問題があるとは思えないので売り方の問題かなと。表紙を見たのですが絵はうまけれど、あまり伝わってきません。これがSF(というかこういう軸が二つあるジャンル)の難しいところで艦船を迫力持ってかける人材と魅力的なキャラデザが両立しないんですよね。二人連れてきて適材適所とかやるのが正解っぽいんですけど難しい。

 販売路線に乗せるための層に対してのアプローチが中途半端というか。もっとスペースオペラを押し出すなら表紙に艦船とかの宇宙要素を出すべきだし、キャラものに寄せるならキャラ絵をもっと特徴的にしなきゃいけないし。もどかしいなぁという気持ちです。

 とはいえ作品の面白さには関係ありません。面白いのは確かなのでぜひぜひ読んでほしいなぁと思います。

 

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