【ネット小説 紹介】つのつきのかみさま
無知蒙昧なる白痴の神性"わたし"が"メーヴェの一ツ角の民"の繁栄と栄華を見守るお話。
本文紹介より
おすすめ度☆☆☆(☆)3.5
(おすすめ度 指標
☆5つ 万人におすすめ出来る完成度が非常に高い小説
☆4つ 小説好きには勿論、殆どの層におすすめできる完成度の高い小説
☆3つ 少し癖があるものの小説好きにおすすめ
の目安で付けています）
この小説はハイファンタジーです。勝手な分類で言えばシムシティ型小説（上位存在が人の営みを見つめるみたいな形式）。少し前に紹介した「「神と呼ばれ、魔王と呼ばれても」」と同じ種類と言えると思います。
額に特徴的な角がある人種、つのつきを見守る『わたし』の視点でつのつきの発展が描かれて行きます。主人公は肉体がない存在であり、つのつきに積極的に干渉することはできませんが、それでもつのつき達を見守り、そして共にあり続け、そして……といった感じの内容ですね。
このようなジャンルの主人公は結構全能に近かったりもするのですが、この小説の主人公である『わたし』はいい感じに抜けていて親しみを持てます。もちろんそれなりの力をストーリー内で示す時はあるのですが、どうにもいじられキャラが似合っている感じがいいですね。個人的にはつのつき達と交信してそのポンコツぶりがばれるのがお気に入りです。
ストーリーも最後のあたりは少し駆け足だったように感じましたが、綺麗に収束していく物語を見るのはとても気持ちがいいです。最終盤も改めて考えてみるとこのオチがふさわしいと思える終わり方で満足感がありました。終わり方的にその後の話しがかなり気になるので、できれば後日談がみたいなと思ったり。
面白く読めたのですが、他に気になることと言えば改行の少なさでしょうか。どのページも字がぎっしりで空白が少ないです。ネット小説では他人からの校正というのは基本的に誤字脱字以外は入らないものです。そもそも改行というのは個々人の作風とされることが多く、突っ込まれない部分でもあります。
ライトノベルのような本ばかり読んでいた私の慣れの問題かもしれませんが、いつものようにするすると読めるようになるまでは少し時間がかかりました。
しかし面白いのは変わらないので興味を持った方はぜひ読んでみることをお勧めします。
